相続放棄をした場合の親族への影響

文責:所長 弁護士 古田 裕佳

最終更新日:2024年10月03日

1 相続放棄すると他の親族に影響を与える

 相続放棄をした場合、相続放棄をした人は、最初から相続人ではなかったことになります。
 そのため、他の相続人の負担が増加したり、新たに相続人となる人がでたりする場合があります。
 相続放棄をしてしまった結果、他の親族に借金を負わせることにもなりかねません。
 そのため、相続放棄をする際は、他の親族に連絡をしておくべきケースもあります。

2 相続放棄をした場合の具体的な影響

⑴ 相続人が複数いる場合

 相続人が複数いる場合は、一人が相続放棄をすれば、相続放棄をした人の権利が他の相続人に移ります。
 例えば、5人家族(両親と子ども3人)のうち、母は既に亡くなっており、今回、父が亡くなった場合で、父には3000万円の借金があった事例で考えてみます。
 この場合、本来であれば、借金は子ども3人で3等分して1000万円ずつ負担すればよいことになります。

しかし、子どものうち1人が相続放棄をすると、借金は他の2人の子ども達で負担しなければならなくなるため、それぞれが1500万円ずつ負担することになります。
 そのため、相続放棄を考えている場合は、他の相続人とまとめて相続放棄手続きをすべきです。

⑵ 相続人全員が相続放棄をした場合

 相続人全員が相続放棄をした場合は、次の順位の人が相続人となります。
 先の例でいえば、3人の子ども達が全員相続放棄をした場合、亡くなった方の親が相続人となります。
 また、亡くなった方の両親も亡くなっている場合は、亡くなった方の兄弟姉妹が相続人となります。
 そのため、相続放棄をすることで、亡くなった方の借金などが、亡くなった方の両親(祖父母など)や兄弟姉妹(叔父、叔母)などに相続されることになります。

3 相続放棄を円満に行うためには

 このように、相続放棄をすることによって、他の相続人や親族に負担をかけてしまう場合があります。
 そのため、相続放棄をする場合は、できるかぎり他の相続人と一緒に行い、相続放棄が完了した後は、そのことを次の相続人となる人に伝えることが大切です。

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